国道13号線旧線「万世大路」福島側その9(福島県)





豪雪地帯のため年の半分が通行止めになる大動脈
勿論このまま放って置く訳にもいかず、新たな地質調査を経て
新トンネル掘削の目処が立った。

昭和41年、東栗子トンネル(2,376m)・西栗子トンネル(2,675m)
栗子峠三代目に値するこの長大トンネルが開通
これらのトンネルを含めた改良区間は栗子ハイウェイと名付けられ
冬季でも安全に車両を通過させることが可能になった

反面、今まで交通の要であった萬世大路は、この2本のトンネル開通に伴い
破棄されてしまった。萬世大路が万世大路になった瞬間である
そして破棄された栗子隧道は昭和47年、内部の大崩落によりその生涯を閉じたのだった




崩落地点手前で発見した「ファンタグレープ」の空き缶
缶のデザインからすると昭和43年~昭和49年の
初代ファンタ缶である




他のサイトでも話題になった県境の境標
これも先人の手により綺麗になってその姿を留めていた

と、ここでハプニングが!!
なにやら人の話し声が聞こえるのだ!!
耳を澄ませると確かに聞こえる・・
こんな所に人は滅多に来ないはずである
まさか・・・・・・・!??




3人で相談し、坑口へと一旦戻ってみる
そうすると、なんと人が居るではないか
まさかこんな山奥で人に出会うとは・・

「トンネルを見に来た」というこの方達に色々な話を聞く事が出来た
このトンネルはキノコ取りのおっちゃんからバイク乗りの兄ちゃんまで
結構人が訪れること
そして近年、国土交通省のツアーがバスで乗りつけ、大量に訪れた事
その際に藪などが全て刈り払われた事・・
なるほど・・道理で機械による伐採が行われた訳だ
最後に励ましの言葉を頂いて、帰路に着くお二人の姿を一枚。




我々は再び洞内へと戻る、そしてあっという間に閉塞地点へ・・
閉塞地点には先人が石で書き残したメッセージが残っていた
YFD(不明)
ORR
そして判りにくいかもしれないが
おばら・DARK
である。
どれも一度はサイトを訪れた事のあるこの趣味では有名な人達だ




大規模な崩落地点
まだここの崩落は瓦礫を登ると通過する事が出来る
しかし写真のようにこの場所は非常に危険である
再度崩落が起これば我々は即死、若しくは閉じ込められるであろう
そんな生死の境目で余裕をかます某氏




第一崩落点の瓦礫をクリアーする
すぐ先にはこの隧道にトドメを刺した第二崩落が見える。





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