国鉄宮古臨港線(岩手県)その3





この路線に限らず、臨港線というのは市街地に近いが
再利用するにはちょっと微妙な所を走るという特性上
案外と路盤跡が残るものである。
宮古臨港線はその路盤跡は殆ど再利用される事もなく
全線にわたりその痕跡を良く残していた




路盤跡は暫くの間国道と併走する
やがて国道106号線の起点付近で長さ約20m程の橋梁で
小さな小川を渡っていた
非常に小さい橋梁だが、しっかりと橋脚が2本設置されている




すぐ横に設置されている防潮堤に登り、上から橋梁を撮影する
余談だがこの小さな小川は「山口川」という歴とした2級河川である。
地元市民でも知らない人が多いのだが現在の山口川は洪水対策として
昭和13年に人工的に作られた河川(正式名称は山口川放水路)であり
本来の山口川は山口地区の水門で分岐し、市街地を蛇行しながら
メインストリートである末広町で暗渠に入り、数km程地下を流れて
この場所で閉伊川と合流する




山口川橋梁(仮名)を通り過ぎるとまたもや藪に覆われる
路盤跡は国道を少し離れるのだが
特記するような場所は特に残っていないので
藪漕ぎせずに次の合流地点へ向かう




藪漕ぎをパスして数百m程で、閉伊川の舟溜まりへと出る道と踏切で交差する
ここの踏切跡はこの路線で最も当時を偲べる状態で残っている




踏切跡に残る黄色い警告色で塗られた防護柵
第一光岸地踏切という警報機付きの第2種踏切道であった




踏切付近に残る「白浜丸待合所」
白浜丸とはこの踏切付近より宮古湾を横断し、対岸である白浜地区を結んでいた
定期航路船で、この付近にある愛宕小学校と対岸の白浜分校を結ぶ為に運行されていた




白浜丸発着所に停泊している第7陸中丸
白浜丸、第2白浜丸と続いたこの定期航路は
第2白浜丸の引退後、岩手県北バスの第7陸中丸により運行された
平成13年、白浜分校廃止と共にこの定期航路も廃止され
今では倉庫と化した第7陸中丸と白浜丸待合室が残るのみとなった
路盤も遺構も全く残らないが、ある意味これも立派な「廃線」であろう・・





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