常磐線旧線その13「金山トンネル2」(福島県)
金山トンネル(L=1654.0) 車両通行不可
日を改め、今度は南側坑門よりのアタックである。
こちらは保線用道路を突き進み、現路線を経てアプローチする。
若干の藪漕ぎがあるがさすが有名所、すでにマニアによる踏分が出来ている。
そしていよいよ雑誌で見慣れた光景が・・・
これが噂の日本鉄道会社社紋である。
日本鉄道会社とは1880年の西南戦争によるインフレで
官営鉄道の建設が困難になった際
「官設鉄道方式をとっていては線路延長が遅れるので
会社利益保証を行う方式で鉄道建設を促進すべき」
という在官者有志の考えに賛同した者等よって1881年に設立された
民営の鉄道会社、つまり日本初の私鉄である。
坑口より坑内を見る。
1654m・・ 中は漆黒の闇が続く
トンネル壁には当時の電信線の保持具が今もしっかりと残っている
坑内に残るスイッチと照明器具。
煉瓦を破壊し、モルタルで固定している所を見ると
おそらく後年に設置された物と思う。
しかし・・煉瓦トンネルを照らす裸電球。
さぞかしその光景は美しい事だろう。
トンネル内の闇を歩いていると今まで廃トンネルで見た事もない
大きな待避所が設置されていた。よく見るとコンクリブロックで出来ている。
これはあくまでも推測なのだが大正14年に制定された隧道待避所基準に基づいて
開通後、後から設置された待避所ではないだろうか?
基準では「待避所の大きさは小型、中型、大型とし、小型は40m毎に、中型は延長800m以上の
トンネルで400m毎に、大型は延長4800m・・・」となっている。
中型待避所の大きさは高さ2.5m、幅3m、奥行き2mと決められているので
サイズ的にも設置されている場所的もこの基準に一致する。
そしてやや路盤に泥濘が見え始めた頃ついに出口の光が見え始めてきた。
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