常磐線旧線その10(福島県)
台山トンネル(L=125.0) 車両通行不可
向山トンネルの次は台山トンネルである。
こちらも現在は完全に破棄されておりアプローチルートを見出す為に一苦労した。
写真は半閉鎖された現在線踏み切りより海岸へ出て撮影。
このコンクリート擁壁を無理に上れば何とかいけそうだが・・・
しかし傾斜がキツすぎる。これはもし滑り落ちたら危険だ。
坑門部のズーム写真。
これだけ見通せるならアプローチは簡単そうなのだが・・
結局現在線を利用し出来る限り近づいてから藪漕ぎで接近する。
明るい場所に口を開けているトンネルなのでレンガの赤と煤煙の黒が目立つ
南側より入坑。若干左にカーブしているので出口は見通せない。
このトンネルの特徴は従来からある待避所の他に
コンクリート製の待避所を後から追加している点である。
コンクリの状態や殆ど付着していない煤煙などから考えると
恐らく近年・・しかもこのトンネルが廃止される直前に作られた・・
なんかそんな感じがする位新しい施工である。
こちらは右側に設置された従来の避難所
新しく作られた避難所は左側に数個ある。
もちろん何か理由があったのだろうが・・・
何の為であろうか・・現在の所、理由は全く判らない
長さ120mという、決して長くは無いこのトンネルは
少し進むとすぐに出口が見えてくる。
北側坑口も深い藪に覆われている。
こちらからアプローチはかなり難しいだろう・・
ちなみに右の人影は同行したトリ氏
北側坑門を撮影。藪に行く手を阻まれ
全容を写し出す事は出来なかった。
北側坑門の胸壁部分近影。
やはりこのトンネルも植物の侵食を受けている。
坑門より坑内を撮影。
入り口に立つ枕木は、かつてこのトンネルを塞いでいたバリケードの名残。
そしてこのトンネルが破棄後、そのまま流用されずに捨てられた証でもある。
やはり北側からも南側坑口を望むことは出来なかった。
結構ここのカーブはきついのかもしれない。
内部より南側の坑口を望む。
心なしか路盤に轍のような物が残っているのだが気のせい?
南側坑口、植物が坑内まで浸入している所を見ると
天気の良い日はトンネル内まで日が入ってきたのだろう・・
旧線跡のすぐ横を通る現在線台山トンネルのロックシェッド部分
余談ではあるが現在線の台山トンネルも実は常磐線では珍しい物なのである。
現在線台山トンネルの内部。
常磐線は水戸以北から単線となっていて、勿論トンネルも
単線規格で掘られているのだが
このトンネルだけは何故か複線規格なのである。
現在線台山トンネルの銘板
複線型(交流電化)曲線用と記されている。
もしかして、将来複線化した際に追加の隧道が
地質的に掘れないとかの理由であえて複線用トンネルを掘ったのだろうか?
いや・・そしたら旧隧道を改修すれば良い訳で・・・全く謎なトンネルである。
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