某金属鉱山





この鉱山は鉱脈こそ尽きては居なかった・・
しかし他の鉱山と同様、鉱物の価格低迷によるダメージを受け
近年では掘り出した鉱物を選鉱せず、そのまま保管しておいて
坑道内を公開、観光化して細々と経営し続けていた。
しかし主要坑道内で崩落が起き、そのまま復旧される事はなかった・・





坑内に放置されていた2tBLには手書きのプレートが設置されていた。
日本輸送機、通称ニチユは鉱山のバッテリーーロコ(BL)の最大手である
通常、機関車の類は製造されてから長く使われる物である。 その中で、平成2年製といえば結構新しく、まだまだ使える筈なのだが
運行される事の無くなったこのBLは、坑内の高湿度によりすでに錆だらけになっていた




BLには2両の鉱車が連結されている。
そのまま積載された鉱物が、この鉱山が迎えた
突然の終焉を物語っている




鉱車を後ろより見る
この区間は複線になっており、入れ違い線の役目を果たすと同時に
停車場としても機能していた
2編成で運行されていた時代はこの場所で車両の入れ違いをし
業務終了時はここに2編成とも留置してバッテリーへ充電していたと思われる




この2車線区間は三つ又の分かれ道になっており
左へ進むと主要坑道、直線は狭い試掘坑、右は封鎖された旧坑道になっている
主要坑道の奥は写真のように支保工が激しく崩壊していた
この崩壊が原因なのか、この先に更なる土砂崩落があるのかは
この場所からでは不明である
右に見える電気設備はBLへの充電施設である




土嚢により封鎖された旧坑道
主坑道よりは若干小さめの内径である
こちらの坑道は軌道が敷設されていなかった




旧坑道は更に奥へと続いているようである
土嚢をよじ登れば行けない事はないが
さすがにそれが危険すぎる
この先が旧縦坑だとしたらもう二度と戻ってはこれないだろう




再度崩落地点を見てみる
この場所は若干広くなっており縦坑があるのだが
縦坑の他にも斜坑も設置されていた様であった




斜坑の拡大写真
プラスチック板に手書きと零細鉱山独特の雰囲気が漂っている
しかし、鉱山事務所にあった看板では縦坑のみで斜坑は記されていなかった
この斜坑ははたして下二番坑まで続いているのだろうか・・?




瓦礫の僅かな隙間から縦坑を見上げてみる
木材で出来た足場には恐らくウィンチが設置されていたと思うのだが
なぜに風呂桶があるのかは全く持って謎である



崩落より先には行く事が出来ないので引き返す
写真は坑口近くにある建造物





この建造物の中を覗いて見る
内部は休憩所兼キャップランプ充電所、コンプレッサー
そして各種整備や作業等、坑内作業に必要な事を
この建物内で行っていた




坑口より数百m手前には比較的近代的な選鉱場が残っている
坑内より採掘された鉱物はBLによりここまで運ばれ
選鉱され出荷される




ここに書くべき事は沢山ある
経緯、最盛期、現状、今後の予想・・・
しかし・・詳しくは述べる事が出来ない



〜〜 某県 某鉱山 〜〜







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