常磐炭坑中郷鉱 (茨城県)





いわき市を中心として幾つもの地下への口を開けていた常磐炭鉱
その中で最後まで生き残り、昭和50年まで操業していた中郷鉱であるが
残念ながら坑口等の炭鉱そのものに関する遺構は殆ど見られなかった。





この建物に隣接するもう一棟の建造物
付近の藪や建物の外見をみると完全に破棄された感じである




この建造物の内部はコンベアと思しき装置と下段に貯まる大量の砂・・
用途や使用年度、炭鉱に関連する物なのかどうか全く不明である。




この建物は近くでよく見ると、2棟の建物で構成されている。
すぐ隣にある建物も恐らくこの建物と同じ構造のようであった。
進入を試みるも階段に立ち塞がる木と腐蝕した階段によって
侵入は困難と判断した。




他にめぼしい遺構が発見出来なかったので斜面を降り、道路脇の広場に出る。
そこには常磐道からも確認出来る巨大なホッパーが横たわっている。
この地区で最大の遺構である。




ホッパーの積み出し口近影
中央の茶色く錆付いた物は石炭を円滑に落とす為にホッパー全体に振動を与える装置
いわゆる「バイブレーター」である。ここまで大きいと稼動時物凄い音だったろう・・




ホッパーに付随する建物と思われる物の土台部分
残念ながら付近には何も見当たらなかった・・
もしかして近年に閉山したからこそ徹底的に施設の
解体を行ったのかもしれない



県道脇にもホッパーが残っていた。
県道を考慮するその形状から、恐らく軌道ではなくトラックによる
輸送を行っていたのかもしれない・・





常磐炭鉱のうち最後まで稼動していた中郷鉱
しかし炭鉱としての施設は殆ど撤去されその痕跡はわずかに残るのみとなった
なお後日情報にて橋脚や埋もれたトンネルなど専用線の遺構が多数存在するらしい
恐らく封鎖されたであろう坑口と共に必ず再度挑戦するだろう・・

〜〜 常磐炭坑北茨城鉱業所中郷鉱 〜〜

S19.9    出炭開始
S21.3.6   ガス炭塵爆発。死者15名・重軽傷者14名
S22.10.20  ガス爆発。死者12名・重軽傷者11名
S25.10.1   新選炭場の運転を開始
S31.3.7   自然発火事故。死者14名・重傷者5名・軽傷者2名
S33.2    南部斜坑で着炭
S33.4.17   鋼製炭車に切替え
S37.10.23  中央選炭場を閉鎖
S43      閉山





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