2004-01-09 作成

常磐炭坑磐崎本抗 (福島県)





いわきまで所用で訪れた際、半日ほど時間が空いたので
友人を拉致って常磐炭坑の名残を探しに行きました。
いわき市内を走り回り、夕暮れも迫ってきてそろそろ引き上げようか・・
そんな時、それは姿を現しました。





道を間違え、狭い山道を進んでいたとき、このような所に出くわした。
どうも只の壁ではない・・ 明らかにトンネル状の「何か」を崩したような物だった。




注意深く周りを見渡す。
そこには不自然な壁があった・・・ 「抗」という文字を発見して急ブレーキを踏む




ちょうど近くに車を止めるスペースがあったので車を降りる。
謎の壁に近づく・・ 古めかしいコンクリート壁はトンネル状であり
比較的新しいコンクリートで塞いだ感じになっている・・ 「磐崎本抗」 間違いない! 常磐炭坑の一つだ!!




付近を捜索する。本抗近くの藪の中に構築物を発見した
高さにして1m弱・・ 抗口にしては小さすぎる。
しかし付近にはレールや資材らしきものが散乱する。




この小さな穴の中にヘルメットが落ちていた。
はたして現役時代の物なのだろうか・・?




結局抗口付近はこれだけであった。
そこで抗口から冒頭のトンネル状の何かを渡って軌道が延びていたと仮定し
その直線上の先へ向かうと山中にホッパーの跡を発見した。
早速内部へ入る。 やたら低いホッパーだ・・



ホッパーから外を見てみる。そこにもコンクリート製の何かが見える。
どうやらこのホッパーは中間点であり、更に何らかの施設へ石炭を送っていた物と思われる。




その施設跡への立ち入りは不可能だったのでそのまま県道へ出る。
そこには更に大規模なホッパーが佇む。
ここから鉱車で運び出し、常磐線で貨物に載せ替える・・
そんな感じがする。



ホッパーから上を見上げるとそこにも建造物の跡が・・
どうやら「抗口」→「上段のホッパー」→「選炭場」→「下段のホッパー」→「出荷」
こういう流れになっていたと思われる・・・





何よりも今回は時間が無かった。
常磐炭坑は幾つもの抗口から成り立つ大規模な炭坑だったので
後日改めて他の抗口も探して見たいと思う・・・

〜〜 常磐炭坑 磐崎本抗 〜〜

S10     開坑
S19.9    出炭開始
S21.3.6   ガス炭塵爆発。死者15名・重軽傷者14名
S22.10.20  ガス爆発。死者12名・重軽傷者11名
S25.10.1   新選炭場の運転を開始
S31.3.7   自然発火事故。死者14名・重傷者5名・軽傷者2名
S33.2    南部斜坑で着炭
S33.4.17   鋼製炭車に切替え
S37.10.23  中央選炭場を閉鎖
S43      閉山





戻る