2007-01-26 作成
三陸隧道(岩手県)
岩手県の釜石市と大船渡市の間にある三陸峠
ここに現役国道でありながら大半のドライバーに忘れられた隧道がある
国道45号線「三陸隧道」
すでに部分開通し無料開放中である三陸自動車道にその座を一時預け
今は静かに眠っている・・
今回はそのちょっとかわいそうな隧道を訪れました。
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現国道より分かれ、折り重なるカーブを登り詰めると
三陸隧道の釜石側坑口が見えてくる
一見普通の国道トンネルではあるがここまで来る間
すれ違う車両は1両も無かった。
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三陸隧道釜石側坑口
やけに新しく見えるのだが、トンネルポータルは
既存の物に新しくコンクリートを塗り重ねた物である
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扁額拡大写真
扁額は既存のまま、コンクリートを塗り重ねた事がよく判る
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トンネル内部はほぼ全般に渡りライナープレートで保護されている
写真はライナープレートと本来の洞内の隙間
夥しい量の水が流れ出ていた
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洞内を見通す
出口が見えないのは、このトンネルが中央より
下り勾配になっている為である。
ちなみにこの時点でやっと車両が1両通過した
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内部は一部分のみライナープレートが設置されておらず
本来の姿を見せている
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本来のコンクリート巻立て部分
余談ではあるがこの隧道内の照明は
近年まで普通の蛍光灯であった
国道45号線のトンネルは昭和時代にナトリウム燈に交換され
唯一このトンネルだけが蛍光灯であったのだが
ついに平成12年に更新工事を受けた。
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コンクリ巻立て部分もかなりの補修を受けている
このトンネルは現道時代にその狭さと老朽化がネックとなっており
度重なる補修を重ねてきた。
その為、現在工事中である三陸自動車道の中でも
新三陸トンネルは平成5年といち早く開通し
無料共用が開始されたのである
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内壁に走るクラック
現在進行形で老朽化は進んでいる。
交通量が著しく減ったとしても一応は現役国道なので
最低限は保守管理されている。
しかし現在主要となっている新三陸トンネルはあくまでも高速道路・・
将来、再びこのトンネルが現役に復帰るまで果たして持つのであろうか?
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コンクリ巻立ての部分にはチョークで
浮き、剥離、罅等の補修すべき箇所がビッシリと書かれている
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隧道を出ると眼下に大船渡の山並みが見えてくる
忘れられたとはいえ一応は2桁の現役国道
標識や付随施設はしっかりと管理されている
ちなみにここまでで通った車は4両・・
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三陸隧道大船渡側坑口
こちらのポータルは釜石側と違って
薄くコンクリートを塗り込んだ補修となっている
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ポータル拡大写真
3色に分かれているのは恐らく2回補修を受けたからである
一番下が開通当時、中間が最新の補修、上段が1回目の補修であろう・・
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大船渡側坑口より100mほど南下すると
道路脇にこのトンネルの碑と慰霊碑が建っていた
このトンネルは補修を重ねても内部にクラックが入り
その内部の狭さも併せて非常に危険だと昔ニュースでやったのを
今でも覚えている。
今は現役を退け僅かな車両を通すのみとなった古い隧道であるが
将来確実に現役復帰が約束されている
その時は、きっと潤沢に予算を使ってリフレッシュするのであろう・・
それまでゆっくりと休んでくれ。
〜〜 国道45号線 三陸隧道 〜〜
着工 | 昭和34年9月 |
竣工 | 昭和36年7月 |
全長 | 476m |
高さ | 未測定 |
幅員 | 5.5m |
覆工 | C |
舗装 | As |
照明 | 低圧ナトリウム灯 |
付随施設等 | なし |
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